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DC インタビュー!日本の食文化外交を一手に担う在米日本大使公邸の料理人・飯沢諒 さん(和食専門)


ワシントンでこの人に聞きたい第14回目は、在米日本大使公邸で和食専門の料理人としていつも美味しい日本食を作って賓客のおもてなしをしている、飯沢諒シェフにお話を聞きました!

飯沢諒さん略歴
調理師専門学校を卒業。1人の親方に3年間師事し都内の和食店数軒で勤務。その後ロイヤルパークホテルに入社し2012年11月から現職。

大使公邸で飯沢シェフ 公邸料理人の飯沢諒シェフ

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Qシェフになったきっかけは?
A純粋に子供の頃から料理するのも食べるのも好きで、よく母の手伝いをしていました。実は超進学校に通っていたので大学に行くつもりだったのですが、それよりも手に職もつけたいし好きなことを仕事に出来ればと思って進路を決める時に調理師専門学校に入ることに決めました。

元々はエスニック料理が好きだったのでそれを専門にしようと思ったのですが、学校の専攻になかったので(笑)、自分が80歳になっても食べたいと思える和食を専門にしようと決めました。

Q調理師学校を卒業後、1人の親方に師事することにしたのは何故?
A学校に紹介されたお店がその親方のいる和食店だったのがきっかけです。親方の方針もあって都内のふぐ専門店、おでん屋、居酒屋で勤務し様々なことを学べて楽しかったです。ただ当時は職場の同僚が数人しかいなかったので、もっと大勢のシェフに囲まれて切磋琢磨しながら腰を据えて料理を勉強したいと思い、「ホテルで働いてみたい」と親方に相談したところ、ロイヤルパークホテルに話をしてくれて中途採用で入社することになりました。

Qホテルに入社してみてどうでしたか?
Aホテルは年中無休なのでシェフも交替でシフト制になっていて、和食だけでも同僚のシェフが25人もいました。宴会係があったり、レストランの担当もあったりして、とにかく大所帯なのでホテル内で何が起きているか理解するのに半年はかかりましたね(笑)。でも同世代のシェフが大勢いて、仲間が増えたので心強かったです。

料理を仕込み中の飯沢シェフ 料理を仕込み中の飯沢シェフ

QワシントンDCの大使公邸シェフになったきっかけは?
Aロイヤルパークホテルに入社後に、うちのホテルからロンドンやDC、ロシア、北京など大使公邸のシェフを派遣しているケースがあることを知ったのですが、日頃から外国人と仕事をしてみたいと思っていたこともあり、機会があればいつか海外で勝負してみたいと思っていました。ある日、上司から「ワシントンDCに行ってみるか?」と打診があった時には「行きます!」と迷わず即答しました。ただDCの歴代の大使公邸料理人は料理長をやっているような経験豊かな人ばかり。実はロイヤルパークホテルの総料理長もDCの大使公邸料理人だったのです。ですから、抜擢されて嬉しかった反面、「自分には荷が重い」とも感じて非常に気が引き締まる思いでした。


Q実際にDC に公邸料理人として赴任してみてどうでしたか?
A最初は震えるほど緊張していました(笑)。日本大使公邸と言う日本を代表する場所で外国の賓客に食事を出していると言う重みを考えてしまうとプレッシャーなのでなるべく考えないようにしています(笑)。

一番最初は佐々江大使とあるアメリカ政府元閣僚の方の会食のフルコースを作りました。ホテルでは天ぷら担当、刺身担当、煮物担当と分業制で、1から10まで自分1人で作ると言う経験はなかったので、全て自分に任されたことでやりがいがありましたが、同時にプレッシャーも感じていました。会食が終わった後に、大使とそのゲストの方から「美味しかった」「テストは合格だよ」と言われた時にはかなりほっとしましたね(笑)。

料理中の飯沢シェフ 日本大使公邸の調理場にて

Qメニューは毎回どうやって決めているのですか?
Aメニューは予算やお客様の人数に合わせて、洋食担当のシェフと毎回相談して決めています。着任して1年はほぼ毎回違う献立を作っていましたが、2年目以降は定番化したメニューもできて来ました。

Q毎日どれくらい料理を作っていらっしゃるんですか?
A大使の公式な朝食会は洋食が多いので洋食担当の公邸料理人が作りますが、プライベートな朝食は和食を好まれるので私が作ります。また大使公邸で行われる昼食会や夕食会、レセプションで出す料理も我々公邸料理人が作るのですが多い時は毎晩のように何かしらイベントがありますね。少人数の会食から200人、多い時は700人もゲストがいらっしゃるレセプションの料理を準備するので大変です。1年で一番大きいイベントの夏のBBQパーティーには1500人もお客様がいらっしゃいますよ。

Q公邸シェフとして苦労するところは?
A一番苦労するのはいい食材の確保ですね。ワシントンDCで手に入る食材で季節感を出すのが非常に難しいです。ホテルで働いている時は食材の買い出しはする必要はなかったのですが、DCでは買い出しから全て自分たちで行います。なるべくローカルの食材を使うようにはしていますが、魚など日本から直輸入しているものもあります。

それから日米の文化の違いにも気をつけながら仕事をするようにしています。

仲間と仕込み中の飯沢シェフ ローカルスタッフとともにチームワークで食事を作るのが大切

Q公邸料理人としてやりがいを感じる時は?
佐々江大使は懐が広くて献立に関しては全面的に私たちシェフに任せてくれるのでそこは責任を感じますし、やりがいがありますね。大使夫妻は2人とも褒めて伸ばして下さる方なのでいつも「ありがとう!今日も本当に美味しかったよ」と言って下さるのはやはり嬉しいですし、次回は「よしもっと美味しいものをつくってやろう!」とやる気が出ます。部下にとってはとても仕事がしやすい上司です。

それから私の料理を食べたお客様が「美味しかった」と言って下さると純粋に嬉しいですね。

Qところでどんな料理が得意ですか?
A 私は日本料理のプロなので、苦手なもの、作れないものはありません。仕事としてやっているので美味しくないものはお客様には絶対にお出ししません。ですから特に「これが得意料理です」と言うのはないのです。美味しいかどうかの判断するのはあくまでもお客様だと思っています。

「今日の料理は来てるね〜!」と同僚のシェフとも話していたような料理に限って、お客さんからの反応がなかったり、逆に自分では何とも思わないで作った料理に対して、お客さんから「あれは本当に美味しかった。どうやって作るの?」と言う反応を頂くことがこれまでもたびたびありました。ですから料理に対する自分の思い入れはあまり持たないようにしています。美味しいかどうかの判断するのはあくまでもお客様ですからね。

大使公邸の台所で大切な仲間たちと 大使公邸の調理場で大切な仲間達と

Q今後どんなことに挑戦して行きたいですか?
A今の任期が終わればまずはホテルに戻ってまた料理の勉強をしたいです。日本料理には奥の深い料理がたくさんありますからね。それから将来的には自分の店を持ちたいと思っています!日本で店を持ちたいですが、日本のことがあまり知られていない途上国で日本食を紹介してみたいと言う思いもありますよ。

Qオフの日は何をしていますか?
A実は美術館巡りをよくしています。ワシントンDCは世界的にも素晴らしい美術館があるので、ナショナルギャラリーやフリアーサックラーギャラリー、フィリップスコレクションなどほぼ全ての美術館を訪れました。また長期休暇を頂いた時はボストンやニューヨークなど他州の美術館のほか、ヨーロッパまで行って美術館巡りを楽しんでいます。作家の中では特にゴッホの作品が好きですね。

Qありがとうございました!

飯沢諒シェフ

インタビュー後記
レセプションや会食などで伺うと、いつも美味しい日本食が食べられるとDC内でも評判の日本大使公邸の和食。その評判を作り上げているのがまさにこの飯沢シェフです。ワシントンDCで日本の食文化を通じた交流に大きな役割を担っているだけにそのプレッシャーは大きいものにちがいありません。レセプションではその場で蕎麦打ちをして、出来立ての美味しいお蕎麦を振る舞う飯沢シェフの姿もたびたび見かけていますが、実は蕎麦打ちを本格的に勉強して始めたのはワシントンDCに来てからと言うのですからその向上心には頭が下がる思いです。

先日の少人数の会食では、飯沢シェフがその日のゲストに合わせて意味を込めたメニューを考えてくれた様子にビックリするとともに、その真心のこもった料理に感動したことも!

勉強熱心な飯沢シェフですから今後もずっと前進を続けて行くに違いありません。いつか自分のお店を開いた時には是非、訪れたいと思います。今後も益々頑張って日本料理を世界に広めて行って下さいね!

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