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エルグレコとフランシスゴヤの「悔悛のペトロ」


スペインを代表する画家、エル・グレコとフランシス・ゴヤによって描かれたこの2の作品には、ともに天を見上げて悲しむ老人が描かれています。

エルグレコの「悔悛のペトロ」
エル・グレコの「悔悛のペトロ」1600 – 1605
フランシス・ゴヤの「悔悛のペトロ」
フランシス・ゴヤの「悔悛のペトロ」1820-1824
エル・グレコが描いた老人は白髪の痩せ気味でちょっと見はロマンスグレーのおじいさん、フランシス・ゴヤの描いた老人はハゲで太り気味で脂ぎった感じに見えなくもないおじさん、と全く違った外見ですが、実は同一人物で、共にキリストの十二使徒の一人、ペテロを描いた作品です。

キリストのためなら命を捨てると言ったペテロに対し、キリストは「わたしのために命を捨てると言うのか。はっきり言っておく。鶏が鳴くまでに、あなたは3度わたしのことを知らないと言うだろう。」と予言。その後、キリストは逮捕されました。

キリストの逮捕後、「お前もあの男の弟子の一人ではないのか」と問われるとペトロは「違う」と打ち消し、3度目にまた否定するとすぐに鶏が鳴き、ペテロはキリストの予言を思い出して後悔して泣き崩れた、と言う話です。

この2つの絵はそうしたペテロの姿を描いたものですが、同じ人物でも、2人の画家にかかるとそれぞれとても印象が違って描かれているのが面白いところです。