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アメリカ大統領に異端児のトランプ氏が当選で世界に衝撃。今後どうなる?


アメリカの大統領選は8日投開票され、大接戦の末、共和党候補の不動産王ドナルド・トランプ氏(70)が、女性初の大統領を目指した民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官(69)を破り、勝利しました。過去に政治家など公職の経験もなければ、軍人の経験もなくして大統領に就任するのは史上初めてのことで、事前の世論調査でも劣勢が伝えられていただけに、トランプ氏の逆転勝利にアメリカを始め世界中に衝撃が走っています。

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大統領選挙結果

アメリカの大統領選は計538人の選挙人の過半数270人を得た候補が勝利しますが、CNNによりますとアメリカ東部時間の9日午後3時の時点でトランプ氏は290人の選挙人を確保したのに対し、クリントン氏は228人にとどまり、大方の予想を上回る善戦で勝利をものにしました。

cnn%e3%81%ae%e7%b5%90%e6%9e%9c CNNより。米東部時間9日午後3時時点

トランプ氏は勝敗を左右するとみられた州、特に2004年以来、共和党候補が勝利することができなかったオハイオ、フロリダ州などの激戦州を軒並み制したのが勝因ですが、中でも大学教育を受けていない有権者の47%から投票を集めたほか、低中所得層を中心に幅広く支持を集めたこと、そして何よりもアメリカの現状に不満を持っている層に訴えかけるトランプ氏の戦略が勝利の決め手となったと見られています。

ちなみに、トランプ氏は女性蔑視発言があったため、事前報道では女性からの支持が圧倒的にクリントン氏に劣っているとされていましたが、実際には女性のクリントン氏に対する投票は54%にとどまり、トランプ氏が42%を獲得するなど善戦。特に白人女性に限ればトランプ氏が53%と過半数を獲得(クリントン氏は43%)していたことも事前の大方の予想を裏切る結果となりました。

ワシントン・ポストなど、アメリカの主要メディアのほとんどは投開票日の8日朝時点でクリントン氏が過半数の270人以上の選挙人を獲得して勝利すると予測しており、中でもニューヨーク・タイムズはクリントン氏の当選確率を84%としていただけに、開票が進みトランプ氏の優勢が伝えられる度に、アメリカの主要メディアによる選挙速報番組のスタジオの雰囲気が重くなり、戸惑う様子が明らかに分かりました。

ちなみにワシントンDC(コロンビア特別区)でクリントン氏に投票した有権者はなんと92.8%にものぼる一方でトランプ氏に投票した人はわずか4.1%。DCがいかにアメリカの他の地域と温度差があるのかを象徴するような選挙結果となっています(笑)。

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トランプ氏の勝利宣言

大方の予想を裏切る逆転勝利を受け、トランプ氏は9日未明、ニューヨークで有権者の前に姿を現し、「さきほど、クリントン氏から電話を受け、われわれの勝利を祝福された」と述べ、勝利宣言。

トランプ氏は「分裂の傷を縫合し、今こそ共和党、民主党、独立系みんなが一丸となって前進するときだ。すべての米国人のために大統領として働くことを私は誓う。」と述べるとともに、「これまで私を支持しなかった人にも協力を求めたい。」と結束と協力を求めました。また、「我々は経済成長率を2倍にして、世界で最強の経済を構築する。どんな夢も、どんな挑戦も大きすぎることはない。アメリカは最高のものだけを求め、妥協はしない。アメリカの利益を一番に考える。」などと「アメリカ第一主義」を高らかに宣言しました。

以下は一致結束を呼びかけるトランプ氏の勝利宣言。↓

クリントン氏の敗北宣言

一方、トランプ氏に敗れたクリントン氏は選挙戦から一夜明けた9日、ニューヨークで支持者を前に挨拶に立ち、「昨夜トランプ氏に電話して祝意を伝え、国のために彼と一緒に取り組んで行くと伝えました。トランプ氏が、全てのアメリカ人にとってすばらしい大統領になることを期待しています」と述べて、敗北を認めました。

その上で、「トランプ氏は我々の大統領になるのです。広い心を持って、彼に指導力を発揮させてあげる機会を与えるべきです」「「アメリカは私たちが思う以上に分断されているが、この結果を受け入れ、前を向かなければならない。」と述べて、トランプ氏に協力するように呼びかけました。

そして「今回の結果は我々が求めていた結果ではなかったし、この選挙に勝てなくてとても申し訳なく思っています。でも皆さんを代表して大統領選挙を戦えたことは、人生で最高の誇りとなりました。」と述べるとともに「ガラスの天井を破ることはできなかったが、そう遠くない将来に誰かが実現すると期待している」と述べたほか、若い人に向かって「私もこれまでの人生で成功も失敗もありました。あなたたちもこれから成功や失敗があるでしょう。でも自分が正しいと思うことのために戦い続けてほしい。それは価値があることだから」と噛み締めるように呼びかけるなど、とても感情のこもった、最後の挨拶を行いました。

以下、感情がこもっていて良かったと評判になったクリントン氏の挨拶↓

オバマ大統領はスムーズな政権移譲を約束

続いてオバマ大統領はホワイトハウスのローズガーデンでカメラの前に姿を現し、「トランプ氏とは明らかに重大な見解の相違があるが、この国を統一し、率いて行くトランプ氏の成功に向け我々は皆で声援を送るべきだ」「次の大統領が成功するために全て必要なことを行っていくつもりだ」と述べて、スムーズな政権移譲に向けて全力でトランプ氏をサポートする考えを明らかにしました。

以下はオバマ大統領のローズガーデンでの挨拶↓

異例づくし?

トランプ氏はこれから政権発足に向けて閣僚選びなどを行い、来年1月20日に第45代大統領の就任式に臨む予定ですが、70歳での就任は史上最高齢となります。

また政治家経験のない大統領の誕生は1953~61年に大統領を務めたドワイト・アイゼンハワー氏以来です。しかもアイゼンハワー元大統領は就任前に、軍の最高司令官を務めた経験がありますが、トランプ氏は軍人の経験もないため、政治家や軍人の経験もない実業家で、テレビの人気リアリティーショーの司会者として知名度を高めた人物が大統領に就任するのはアメリカ史上、初めてのことになります。

また、トランプ氏の3度目の妻で、ファーストレディとなるメラニア夫人(46)は、旧ユーゴスラビアのスロベニア生まれの元ファッションモデルで、1996年にアメリカに移住し、トランプ氏と結婚した1年後の2006年にアメリカ国籍を取得しています。外国生まれのファーストレディーは第6代のジョン・クインシー・アダムズ元大統領の妻、ルイーザ夫人に続いて2人目となります。

メラニア夫人はトランプ氏との間にもうけた10歳の息子のバロン君がの当面の優先だと話していますが、「テニスやピラティス、ファッションが大好き」と語るメラニア夫人がどんなファースト夫人ぶりを発揮するのかも今後注目されています。

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アメリカ議会は?

ちなみにアメリカ大統領選と同時実施した議会選挙では、共和党が上下両院の過半数を維持する結果となり、オバマ政権時代に続いたねじれ現象が解消し、ブッシュ政権以来、10年ぶりに、共和党がホワイトハウスと上下両院の支配を取り戻すことになりました。これにより、オバマ大統領時代は、何かと議会との衝突が多く、思ったような政策が進められずに大統領令を頻発する結果となりましたが、トランプ氏はこれまでよりも思った通りの政策が進められるだろうと指摘されています。

今後の懸念は?

一方で、トランプ大統領の誕生で先行き不透明感が高まっているのは確かです。まず発効したばかりの2020年以降の地球温暖化対策「パリ協定」の先行きには早くも暗雲が垂れこめているほか、日米が中心になって進めて来たTPP=環太平洋経済連携協定からのアメリカの撤退をトランプ氏が掲げていることも懸念材料の1つです。

またトランプ氏は選挙期間中に日米安全保障条約を批判し、日本の核武装容認にも言及しているため、在日米軍の駐留経費の全額負担などを実際に日本側に求めて来る可能性も残っています。

更に選挙期間中に公約した、メキシコとの国境の間に大きな壁を本当に作るのか?  「オバマ大統領よりも指導力がある」と絶賛したロシアのプーチン大統領との関係はどうなるのか? オバマ大統領の肝いりの医療保険制度のオバマケアを本当に撤廃するのか? オバマ大統領が禁止したテロリストへの拷問の復活を約束しましたが、本当に実行に移すのか? 現在空席となっている最高裁判事の指名はどうするのか? 約束した法人税の減税は実行に移すのか? など注目課題が多くあります。

トランプ氏は明日10日にホワイトハウスでオバマ大統領と会談し、来年1月の新大統領就任に向けた政権移行に向けて、協議する予定です。

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