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全米桜祭りの日本映画祭!「シネまつり」で「杉原千畝」が上映。グラック監督にインタビューも!


ワシントンDCでは毎年恒例の「全米桜祭り」のイベントの1つ、日本の映画を紹介する「シネまつり(CineMatsuri™)」のオープニング上映が行われ、ご招待を受けたので早速見に行って来ました♪

今年、初日に上映されたのは第二次世界大戦のさなかに赴任していたリトアニアでナチスの迫害から逃れて来たユダヤ人難民に日本通過のヴィザを発行し大勢の命を救ったことで知られる1人の外交官の生涯を描いた唐沢寿明さん主演の映画「杉原千畝」です。

シネまつり 今年で3回目となったシネまつり

今年は初日の「杉原千畝」を皮切りに、「ビリギャル~学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」、「柘榴坂の仇討」、「ボクは坊さん。」「日本のいちばん長い日 」の5作品を7日間に渡ってDC市内の映画館などで上映されます。

シネまつり受付の様子 初日の「杉浦千畝」が上映されたレーガンビルディング内にて

全米桜祭りの期間中に、「何か夕方の時間帯にできるイベントはないか」と言うことで、3年前にワシントンDC日米協会の主催で日本の映画を紹介するこの「シネまつり」が始まった訳ですが、日米協会のジョン・マロット会長によりますと、2年前には映画を観に来た観客は5日間で450人だったのに対し、今年は初日だけで既に450人が集まる盛況ぶりだと言うことです。

会場には、実際に杉原千畝氏が手書きで書いた「命のヴィザ」で救われたと言う生存者も来ていて、その実物の「命のヴィザ」も見せて頂きました!

実際に杉浦千畝のビザで生き延びた生存者 実際に杉浦千畝氏のビザで生き延びた生存者

命のビザ 杉原千畝氏が手書きで書いた実物の「命のヴィザ」

と言うことで、いよいよ2時間19分に渡る、映画の上映が始まりました♪

杉浦千畝

シネまつりHPより

杉原千畝氏は、第二次世界大戦中にリトアニアのカウナス領事館に赴任していた際、ナチスの迫害でヨーロッパ各地から逃れて来たユダヤ人難民たちの窮状に同情し1940年7月から8月にかけ、外務省の訓令に反して大量の日本を通過できるヴィザを発行し、およそ6000人にのぼる難民を救ったことでよく知られています。

この映画ではそうした面以外にも、杉原千畝氏が英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語など数カ国語に堪能で、諜報部員として満洲、フィンランド、リトアニア、ドイツ、チェコ、ルーマニアと言った国に滞在し命の危険を冒しながらも重要な情報を収集し続けた優秀な諜報部員だったと言う面にも焦点をあてています。

まず、映画自体は1934年、満洲国外交部で働く杉原千畝が、得意のロシア語と独自の諜報網を駆使して、ソ連から北満鉄道の経営権を買い取る交渉を有利に進めるための情報を収集している場面からスタート。独自情報のおかげで当初のソ連の要求額6億2千5百万円から1億4千万円まで引き下げることに成功した杉原氏でしたが、北満鉄道の経営権の買い取り交渉を巡る情報収集能力の高さを逆に警戒され、ソ連から日本人外交官初の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定されてしまい、希望していたモスクワ勤務の話が立ち消えになってしまった逸話なども紹介されます。

リトアニアに赴任した後も、独自の情報網でヨーロッパ情勢を分析し、本国日本に対し、ドイツがソ連への侵攻を計画していることを事前に察知したことや、今後アメリカと戦うようになれば日本は負けてしまうとの懸念を発信していたこと、なども描かれています。実はこの映画を観るまで、杉原千畝さんがそこまで諜報情報の収集に長けていたことは正直言って知りませんでした。

また、この映画の中では杉原千畝氏以外にも、ユダヤ人難民を日本行きの船に乗せるかどうかの判断を迫られた旅行会社で働く日本人らが、人道的配慮から日本政府の「これ以上難民を受け入れない」との方針に反して、難民たちを船に乗せる決断をした様子なども描かれていましたが、こういう人達の存在はあまり知られていなかったのではないでしょうか。

杉原千畝氏が、悩みながらも結局、領事館に殺到する難民たちにヴィザを発給することを判断する場面では小雪さん演じる妻との夫婦愛も垣間みられて、会場が涙していました。

この映画でメガホンをにぎったのは「ブラック・レイン(1989)」、「トランスフォーマー(2007)」などのハリウッド大作で助監督を担当し、2009年に「サイドウェイズ」で映画監督デビューを果たしたチェリン・グラック監督です。クラック監督は実は日本生まれの日本育ちで英語や日本語はもちろん、フランス語にも堪能だとのこと。

上映が終わった後には、特別にワシントンDCライフスタイルがインタビューをさせて頂きましたのでご紹介します♪

インタビューの後、チェリングラック監督チェリン・グラック監督

チェリン・グラック監督インタビュー
Q日本生まれ、日本育ちでいらっしゃると言うことですが、いつから映画を作りたいと考えていたんですか?

A学生の頃から仲間と写真や映像を撮ったりして遊んでいましたが、まさか映画作りが職業になるとは思っていませんでした。当時は「医者になれ、弁護士になれ」と言う雰囲気だったので。でも子供の頃から演劇には興味を持っていました。

大学でも演劇を専攻して当時は役者になろうと思ってニューヨークに行ったんです。でもお金を稼がなくちゃいけないと言うことで、コマーシャルの演出をやるようになったことがきっかけになって、「映像をもっとやりたい」と思うようになりました。

大学を卒業した夏に神戸に戻り、その後、香港に寄った時に知り合いに「映画の助監督をやらないか」と言われ2週間だけ務めたんですが、それから映画作りに病み付きになっちゃいました!「これはやりたい!」と。

Q映画「杉原千畝」で監督することになったきっかけは?

A唐沢寿明さんとは「太平洋の奇跡、フォックスと呼ばれた男」でアメリカ側の監督を務めた際に一緒に仕事をしたことがあったのですが、その後唐沢さんから「一緒にまた仕事をしたいと思っていたんだけど、君の作品『サイドウエイズ』を観てとても感動したので、ああいう映画作りを一緒にやってみたい」と言われたんです。その時から3〜4年、何か一緒に映画を撮ろうと模索していたところ、「杉原千畝」の主役を唐沢さんが務めることになり、「それだったら監督はチェリンにやってほしい」と言われて、引き受けることになりました。

Q映画作りで苦労したことは?

Aないですね(笑)。私にとって映画作りは苦労ではないんです。最初から簡単であれば他の人がやればいいこと。どんな問題が起きても土壇場でアドレナリンが湧いて来てなんとかやり遂げて行くのが私にとっては楽しみの1つでもあるんです。

「杉原千畝」の撮影では、毎日やらないといけないこと、ハラハラすることはいっぱいありました。例えば船のシーンでは甲板が凍っていて皆滑りまくって大変だったり、橋を難民が渡っているシーンの撮影の時にはかなりの風が吹きまくっていて衣装もぐちゃぐちゃ。しかも一番寒い日だったので撮影では苦労しました。全体的にスケジュールもタイトだったので、大変でした。でも最終的には「あれはひどかったな〜」と言うことはないですね。

手振り身振りで話すチェリングラック監督

Q俳優さんたちとの何かエピソードは?

A悪いエピソードは特にないですね。例えば俳優の滝藤賢一さんはリハーサルで英語をかなり堪能に話していたので、現場での指示は全て英語で行おうと思ったのです。そこで英語で「ここをこうしてほしい」と滝藤さんに指示を出したところ、キョトンとしていてどうしたのかと思ったら実は英語が全くダメだったと言うことが後になって分かったと言うエピソードはありました(笑)。

私は基本的に俳優さんは放し飼いにするのが好きなんです。何でも面倒を見るのではなく、ほおっておくんです。俳優さんたちも自分でなんとかしなければいけない状況にまでとけ込んで行かないと、外国で外人と一緒に演じながら映画を作ることがしみ込んで行かないと思うんです。でもみんなよくやってくれましたよ。小雪さんもすごくサポートしてくれましたしね。

撮影は全てポーランドで行ったのですが、小日向文世さんが3週目に撮影現場に来た時はめちゃくちゃ楽しかったですね。

Qこの映画を通じて伝えたかったことは?

Aみんなに考えてもらいたかったんです。私は「あの時、あれをすれば良かった」と言うような後悔をすることが一番嫌いなんです。この映画を通じて「後悔しないように生きて行け」と言うことを考えてもらいたいと思っています。私自身も後悔なく生きて行きたいと思っています。

杉原千畝さんの奥さんの台詞の中で「違う皮膚の色とか目の色でも、最終的にはみんな同じ人間じゃない」と言う言葉があります。そういうメッセージをより広く伝えて行きたいと思っています。特に今は難民問題が大きいですからね。世界中で「嫌い合うのをやめよう」と言いたいし、何でもいいからこの映画を通じて何かを考えるきっかけになってほしいと願っています。

Q今後はどんな映画を作りたいですか?

A色々ありますよ。私自身が色んな国、文化の橋渡しをしながら生きて来たので、「混血」「ハーフ」をテーマにしたプロジェクトをしたいですね。今度はアメリカの映画を日本で撮ってみたいですね。日本でアメリカ人と一緒に、映画になるような日米のテーマを見つけることができればいいなと思っています。

Qありがとうございました!

チェリングラック監督

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