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オバマ大統領、後任の国防長官にカーター氏を指名。難題山積。


アメリカのオバマ大統領は5日、事実上更迭したヘーゲル国防長官の後任に、実務経験が豊富で国防副長官を務めたアシュトン・カーター氏を指名すると発表しました。

60歳のカーター氏は名門エール大学で物理学と中世史を勉強した後、ローズ奨学生としてイギリスの名門オックスフォード大学で理論物理学の博士号を取得した物理学者です 。

1990年代にクリントン政権下では国防次官補を務め、 北朝鮮の核兵器開発疑惑が持たれた1994年の第一次北朝鮮核危機が発生すると、当時のペリー国防長官と共に北朝鮮との核交渉に参加。1999年には当時のペリー北朝鮮調整官(元国防長官)と共に北朝鮮を訪問した経験もあります。 長距離弾道ミサイル「テポドン2号」発射が迫っていた2006年6月には、政権から退いていましたがアメリカの紙面で「北朝鮮が発射準備をさらに進めるなら先制攻撃し、ミサイルを破壊する意思を明確に示すべき」との「北朝鮮先制攻撃論」を主張するなど、北朝鮮に対する 強硬姿勢 で知られています。

その後ハーバード大学ケネディ行政大学院の教授として教鞭をふるいましたが、オバマ政権の発足後の2009年4月、国防次官(調達・技術・兵たん担当)に抜擢。2011年10月には国防総省のナンバー2にあたる副長官に昇格し、アジアへの「リバランス政策」の 推進を訴えたほか、財政難の中、ステルス戦闘機F35の開発体制見直など国防費圧縮に貢献しました。ただ軍歴はありません。

カーター氏は、今後、議会上院での承認を得られれば、オバマ政権で4人目となる国防長官に正式に就任することになります。
アメリカメディアはカーター氏について軍事力をより重視する傾向があり、オバマ大統領の進めたイラク駐留米軍撤収にも否定的だったなど、オバマ大統領とは必ずしも意見が一致していないと指摘しています。

DoD photo by Erin A. Kirk-CuomoDoD photo by Erin A. Kirk-Cuomo

またイスラム国掃討の地上戦への関与についても、国防総省高官はアメリカ軍の地上派遣は避けられないとの立場だった一方で、 ホワイトハウス のインナーサークルのライス大統領補佐官らは反対するなど ホワイトハウス と国防総省との溝も浮き彫りになっており、そうした舵取りも必要です。

Official White House photo by Pete Souzaホワイトハウスのインナーサークルの代表格のライス大統領補佐官

野党共和党のマケイン議員は5日、発表した声明の中でカーター氏が国防長官に指名されたことを受け「素晴らしく有能で経験もあり、勤勉な人物」と持ち上げましたが、同時に「これまでの国防長官も証言してきたようにオバマ大統領は周辺にいるホワイトハウスの親密な身内だけで安全保障の戦略を決めてしまうため、カーター氏の影響力も限定されてしまうだろう。」と皮肉を述べたほか「次の国防長官は細部に渡り管理(Micro-Micromanage)しようとするホワイトハウスの対応を受けることになるだろう」と指摘し、ホワイトハウスの安全保障政策の決定過程を厳しく批判しています。

ヘーゲル国防長官のほか、ゲーツ元国防長官やパネッタ元国防長官も不満をもらした、このホワイトハウスの「側近だけによる政策決定の壁」にどう切り込み、ホワイトハウスとの関係をどう築いて行くのか、カーター氏は難しい課題にまず直面することになりそうです。

マケイン上院議員が出した声明はこちらから

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