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オバマ大統領による論功行賞での大使任命に批判。


オバマ大統領の大統領選挙での資金集めに貢献した連続メロドラマのプロデューサーのコリーン・ベル氏とコンサルティング会社経営のノア・マメット氏が2日、それぞれハンガリーとアルゼンチンの 大使として正式に議会で承認されました。ベル氏もマメット氏も外交のど素人で、大使としての資質に欠けるとしてワシントンDCでは改めてオバマ大統領の大使任命に疑問の声が広がっています。

colleen_bell賛成52、反対42でハンガリーの大使に昇任されたベル氏

ベル氏は 民主党組織で寄付金集めに奔走し、2012年のオバマ大統領の再選に向けた選挙戦では自らも80万ドル(日本円で6800万円)を寄付したほか、210万ドル(日本円で17億8000万程)の資金を調達しました。

その貢献に答える形でオバマ大統領がベル氏をハンガリー大使に任命したのですが、ベル氏は連続メロドラマ「Bold and the Beautiful」のプロデューサーとして長年ハリウッドで活躍したほか、ワシントンDCにある総合文化ホールのケネディーセンターで、ケネディ現駐日大使と共に理事を務めるなどしましたが、政治や外交の経験は全くなく、ハンガリーには縁もゆかりもない人物でした。

最近 ハンガリーはNATO=北大西洋条約機構に加わりましたが今の首相に独裁者の傾向があり、ロシアとの距離も近づきつつあるため、アメリカ の安全保障上の戦略にとって非常に重要な国と位置づけされています。しかし今年1月に行われた上院外交委員会の公聴会でベル氏は「ハンガリーの戦略的な重要性は何だと思うか?」との簡単な質問に答えられず、一般的な発言に終始。また、「前任の大使はハンガリー政府との関係が悪かったがどう変えて行くか」との質問に対しても「市民社会と深く関わって行く」と噛み合ない答えでお茶を 濁すなど知識不足を露呈しました。

こうしたベル氏の公聴会での発言を受け、野党・共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員はベル氏のことを「全く大使の資質に欠けている(totally unqualified)」と切り捨て、「ホワイトハウスは選挙戦の資金集めに貢献した人達だけを大使にしている実にひどい例の1つだ」とオバマ大統領の決定を批判しています。

ベル氏の大使が正式に承認されたことを受け、定例の記者会見で「何故ベル氏がハンガリー大使にふさわしいのか」と質問されたホワイトハウスのジョッシュ・アーネスト報道官も 「彼女はビジネス界でも経験があり、何よりオバマ大統領が信頼を寄せているのでハンガリーとの二国間関係を維持できるでしょう」と言うだけで明確な理由をあげることさえできませんでした。

mamet-obama賛成50、反対43でアルゼチンの大使に承認されたマメット氏

また、2日の議会ではコンサルティング会社経営のノア・マメット氏も正式にアルゼンチンの大使として承認されました。このマメット氏も2012年の大統領選挙の際、オバマ大統領の選挙資金としておよそ50万ドル(日本円にして4200万円程)を集めたいわゆる「バンドラー(資金まとめ役)」として知られています。

アルゼンチンは中南米で第三の経済大国であり、現政権は反米思考を示すこともあるためアメリカにとっては大切であり、なおかつ難しい国とされていますが、マメット氏は今年2月に行われた上院外交委員会の公聴会で証言した際、アルゼンチンには過去一度も訪れたことがないことを明らかにした上で、アメリカの同盟国ではないアルゼンチンのことを「アメリカの同盟国だ」と発言したほか、アルゼンチンのことを「成熟した民主主義国」との誤った認識を披露し、笑い者にされました。更にはアメリカ の懸案になっている基本的な通商問題について問われた際は答えに窮する場面もありました。

大使の資質が明らかにないのに、選挙戦での資金調達に貢献した論功行賞として大使に任命された人物は他にもいます。
同じように2012年の大統領選でオバマ大統領陣営に合わせて130万ドル(日本円にして1億1000万程)の寄付金を集め、ノルウェーの大使に任命されたホテル経営のジョージ・ツニス氏も、1月に行われた公聴会で、ノルウェーには過去一度も行ったことがないことを明らかにした上で、存在しない「ノルウェーの大統領」との言葉を連発し、大統領ではなく国王がいる「立憲君主制」だと言う基本的なことすら知らなかった無知ぶりを露呈しました。
これまでオバマ大統領が駐日大使として任命したジョン・ルース氏や、駐英大使に任命したルイス・サスマン氏、駐仏大使に任命したチャールズ・リプケン氏などはいずれも選挙戦でオバマ大統領に貢献した顔ぶれです。最近駐日大使に任命されたキャロライン・ケネディ駐日大使も大統領選に貢献した論功行賞だと言われています。

キャリア外交官ではなく、論功行賞で政治任命として民間人を大使ポストを任命するケースはオバマ大統領だけでなく、過去の歴代の大統領にも多く見られました。

ただアメリカ外交協会(American Foreign Service Association) は、過去の歴代大統領の大使の政治任命の割合は3割以下だったのに対し、オバマ大統領の場合は2期目に入ってからは政治任命の割合が4割以上(41.4%)に上っていると指摘。またマケイン上院議員も2日の議会承認で「オバマ大統領の政治任命は1期目と2期目を通じて37%にも上っていると痛烈に批判しています。

ちなみにオバマ大統領の前任者らの中で、政治任命の割合が高かったのがレーガン大統領でその割合は38%、逆にその割合が少なかったのがカーター大統領で27%だったとされています。

いずれにしても、アメリカ大使としてのポジションはお金で買えると言っても過言ではなく、アメリカはまさにお金持ちが優遇される傾向が強い社会であることに改めて気付かされる事例ですが、 いずれにしてもオバマ大統領は大使ポストを政治的に利用している傾向が強いとの 野党共和党からの批判は今後も続くことになりそうです。

※American Foreign Service Associationが発表しているオバマ大統領の二期目に入ってからの政治任命の割合についてはこちらから。

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