Home » US Society / アメリカ社会 » 黒人少年を射殺した白人警察官が不起訴処分、広がる抗議デモとアメリカで進まない銃規制について。

黒人少年を射殺した白人警察官が不起訴処分、広がる抗議デモとアメリカで進まない銃規制について。


アメリカのミズーリ州ファーガソンで今年8月、丸腰だった18歳の黒人少年マイケル・ブラウンさんが白人の警察官に射殺された事件を巡り、ミズーリ州の大陪審は24日、ダレン・ウィルソン警察官を不起訴にする決定をしました。これを受け、地元のファガーソンだけでなく、全米各地に抗議デモが広がり混乱が広がっています。

ウィルソン警察官は路上にいたブラウンさんを職務質問しようとしたところ、抵抗されて顔を打撲されたため、警察車両内から2発発砲。その後、車を降りてブラウンさんを追跡し始め、更に10発発砲。このうちブラウンさんの頭に2発、腕に4発の計6発を受けて死亡したとされています。

ファガーソンはミズーリ州でも黒人の人口割合が多い地域で、その割合は黒人は67.4%、人口のうち白人となっています。しかし、今回の判断に関わった12人の市民から構成される大陪審の人口比率は白人が9人、黒人が3人でした。

審議時間は70時間にのぼり約60人が、大陪審で証言しましたが、証言内容は話す人によって大きく異なりました。

複数の目撃者は「ブラウンさんは降伏しようと、両手を上げ『撃たないで』」などと話したと証言する一方で、「手は挙げていなかった」「ブラウンさんはウィルソン警察官に向かって行ったため警官が撃った。」などの証言もあり、情報が錯綜しました。また発砲をしたウィルソン警察官は「身長約193センチ、体重が136キロ近いブラウンさんが迫ってきて、命の危険を感じた」ため発砲したと釈明しています。

マイケルブラウンさん射殺されたマイケル・ブラウンさん

人種差別が事件の背景にある、などと不起訴処分に納得出来ない市民の一部が暴徒化し、店や自動車に火を放ったり、略奪を行い、警察が装甲車や催涙ガスなどを使って対応する事態となり、逮捕者も続出しました。また抗議デモはニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなど全米各地に広がったほか、世界178カ国にも及びました。

ちなみに2010年に連邦大陪審が審理した16万2000件のうち、不起訴処分になったのはたった11件で、今回は州レベルの大陪審ですが不起訴処分が珍しいことが分かります。こうした背景も、抗議デモの火に油を注ぐ結果となっています。

今回の事件を通じ、まだアメリカには人種間の深い溝があることが浮き彫りになった形で、アメリカメディアも連日大きくこの事件を取り上げています。

しかし誰でも銃を簡単に手に入れることができるアメリカ社会では、日本では信じられないことですが警察官は身の危険を感じたら相手を射殺して良いという法律などが定着しており、ミズーリ州でも正当防衛での銃発射が認められていました。こうした社会が今回の事件の大元にあるのは間違いありません。

アメリカ各地では頻繁に精神異常者やティーンエージャーなどによる銃乱射事件が続いていますが、こうした異常事態を取り締まる銃規制の法案は、アメリカ憲法で定められた銃を持つ自由を前に、全く前に進んでいないのが現状です。特にアメリカでは、最大のロビー団体と言われるNRA=全米ライフル協会の政治的影響力が強く、選挙戦で戦う候補者たちも敢えて「銃の愛好者である」ことをアピールしないと当選もおぼつかないような状態です。

今回の事件を受けても、銃規制に関する話題はほとんどあがっていないのが実情で、アメリカ社会の歪みを感じずにはいられません。

以下をぽちっと押して頂けると嬉しいです。宜しくお願い致します!

にほんブログ村 海外生活ブログ アメリカ東部情報へ

にほんブログ村 旅行ブログ アメリカ旅行へ


About Washington DC Lifestyles

Washington DC Lifestyles
ワシントンのニュースや情報発信サイト「ワシントンDCライフスタイル」に来て下さってありがとうございます! DC在住のスタッフらが地の利を生かして少しでもワシントンDCの魅力を伝えて行けたらと思っています。どうぞ宜しくお願い致します!お問い合わせや取材依頼は、お問い合わせフォームから気軽にどうぞ!