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ヘーゲル国防長官が辞任。ホワイトハウスとの軋轢で。


アメリカのオバマ大統領は24日、アメリカ軍を統括するヘーゲル国防長官の辞任を発表しました。ヘーゲル長官はイスラム過激派組織「イスラム国」やシリア情勢に対する対応などを巡り、ホワイトハウス側と意見が合わず退任に追い込まれた形で、事実上の更迭と言えます。

オバマ政権下で辞任する国防長官は2009年のオバマ政権発足以来、異例の3人目で、オバマ政権に大きな打撃となりそうです。

ベトナム戦争の退役軍人でもあるヘーゲル氏は野党共和党の穏健派で、上院議員を2期12年に渡り務めました。当時上院議員を務めていたオバマ大統領もヘーゲル氏もブッシュ大統領の始めたイラク戦争について反対だったことから意気投合し、海外視察などを通じオバマ大統領の信頼を得て、去年2月に野党共和党でありながら三顧の礼で国防長官に任命されました。

オバマ大統領がヘーゲル国防長官に当初期待していたのは、アフガニスタンでのアメリカ軍の戦闘任務の終結に向けた準備や、財政再建による国防費の大幅な削減の実行などでした。

しかしシリア情勢やイスラム過激派組織「イスラム国」など新たな脅威が台頭。ヘーゲル長官は先月、シリアのアサド政権とどう対峙するか不明確だとホワイトハウスの政策を非難するメモを、国家安全保障担当のライス大統領補佐官に送ったとされ、ライス補佐官との軋轢が大きかったと見られています。

またイスラム国掃討の地上戦への関与についても、国防総省高官が地上部隊派遣に前向きな発言をする一方で、ホワイトハウスは一貫して否定するなどホワイトハウスと国防総省との溝も浮き彫りになっていました。

共和党の重鎮、マケイン上院議員は先週ヘーゲル氏と話した際、イスラム過激派組織「イスラム国」やウクライナ情勢を巡るオバマ政権の国防政策について不満を口にしていた明らかにした上で、「ホワイトハウスは細かいことまで統制しようとしすぎている。ゲーツ元国防長官やパネッタ元国防長官も同様の問題で苦しんでいた」と指摘し問題はホワイトハウス自体にあると主張しています。

アメリカメディアもホワイトハウスの内部には国家安全保障に関しオバマ大統領に近く決定権を握る閉鎖的なグループがあり、ヘーゲル氏がその壁を突破して仲間として認められることはなかったと報じています。

一方で、ヘーゲル国防長官は閣議でも自ら何も発言せず、いつも受け身だったと批判する声もホワイトハウスからはあがっています。

オバマ大統領とヘーゲル長官Official White House Photo by Pete Souza。2013年3月4日のオバマ大統領とヘーゲル国防長官

ちなみにゲーツ元国防長官は退任した後、自らの回顧録の中で、オバマ政権の側近たちは歴代政権の中でも「最も中央集権的で、安全保障にも口を出す」と指摘し、オバマ大統領については、当時のアフガニスタン駐留米軍トップのペトレイアス国際治安支援部隊司令官が記者団に撤退開始時期の確定に消極姿勢を表明したことに怒りをあらわにした話を暴露し、「オバマ氏は自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない」と痛烈に批判していました。

ヘーゲル氏の後任には、女性のフロノイ元国防次官カーター元国防副長官らの名前が挙がっていますが、人事承認の鍵となる上院では、来年1月から多数派を握る共和党が、オバマ大統領のイスラム国掃討やシリア内戦への対応を批判するのは必至の情勢で、承認審議の場が政治闘争になりそうです。

中間選挙の敗北で、レームダック(死に体)化しているオバマ政権ですが、また1つ頭痛の種ができた形です。

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